テキストツールは画像内に文字や語句を置くために使います。 GIMP 2.8 では画像に文字を直接書き込めます。 テキストエディターはもう必要なくなりました (とはいえツールオプションダイアログの エディターウィンドウで編集 を有効にすればウィンドウからも記入できます)。 テキストツールバーができたのでここからも操作が可能になりましたが従来どおり「テキストオプションダイアログ」を使って相互対話的に文字のフォントを換えたり色や大きさを設定したり、 調整したりもできます。 画像上の文字枠を でクリックすると脈絡メニューが出てきますのでここからでもテキストを 「コピー」、 「貼り付け」、 「読み込み」などができます。
文字を打ち込むとすぐさまその文字が画像上に矩形の枠で囲まれて出現します。 先に矩形の枠を描けば、 書き込んだ文字は枠の大きさに合わせて自動適合します。 枠は選択範囲の枠と同じ方法で拡大できます。
画像上の文字を移動するには、 移動ツールを呼び出してから、 文字の筆画をクリックして枠とテキストごと曳きます。
一般的にはこのツールを起用すると、 そのツールオプションがツールボックスの下に繋げられたウィンドウ上に現れます。 そのようなウィンドウが見あたらないときは、 画像ウィンドウのメニューより
→ → と辿れば今使っているツールのツールオプションウィンドウが開きます。フォントボタン
をクリックすると簡易型フォント選択ウィンドウが開きます。 ここからシステムにインストールされているフォントや、 GIMP のフォントディレクトリーに追加したフォントが選べます。フォント選択ウィンドウの底部のアイコンボタンでつぎの操作ができます。
フォント見本の大きさ変更
リストで表示 か グリッドで表示 かを選択
フォントダイアログ を開く
インストールされているフォントからいずれかを選択します。 テキストレイヤーを活性化してからフォントを変更すると直ちに画像にもそのフォントが適用されます。
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ヒント |
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ポインティングデバイス (マウスなど) についているスクロールホイールをフォントボタン上で回すとテキストに使われているフォントを素早く変更できます。 この操作ではクリックする必要はなく、 マウスホイールだけを使用します。 |
ここでフォントの大きさを調節できます。 単位も数種類から利用できます。
画像に直接書き込み編集するのではなく画像ウィンドウの外にエディターウィンドウを開いてそこでテキストを編集します。
アンチエイリアス処理は文字の筆画の縁や曲線をより滑らかに描きます。 そのために縁の線をわずかにぼかしたりまとめたりしています。 このオプションは書体の描画表現を視覚的に向上させることが可能です。 ただし非 RGB 色空間でアンチエイリアスを使用するには経験を積む必要がありますのでご注意ください。
小さな文字がつぶれたり歪んだりするのを防ぐ補正情報を利用します。
これから書く文字の色をあらかじめ指定します。 既定の色は黒です。 この色ボタンをクリックすると現れる「文字色」ダイアログで色を指定できます。
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ヒント |
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ツールボックスの色標識をクリックしてテキストレイヤー上までドラッグしてきて直接放っても文字色を変更できます。 [グラデーションやパターンを使って着色するときはレイヤーダイアログで 透明保護 を有効にしてから行なってください。 ただしこのときからテキストレイヤーとしての属性が一時的に失われます。 この文字列はテキストツールでクリックすれば再び編集できますが、 そのときは文字色が描画色一色に戻されます。] |
「左揃え」、 「右揃え」、 「中央揃え」、 「両端揃え」の 4 つのボタンから文字列の揃え方を選びます。
一行目の字下げの幅を指定します。 単位はピクセルです。
複数行の文章の行間の幅を調節します。 単位はピクセルです。 変更は即座に画像のテキストレイヤーに反映します。 行送り間隔ではないので既定値は 0.0 です。 さらに近づけるには負の値を用います。
文字と文字の間の幅を調節します。 これも文字幅ではないので既定値は 0.0 です。 文字を重ねるようにするには負の値が必要でしょう。
テキストボックス (文字枠) にまつわるオプションです。 付随する引き出しメニューで 2 つのオプションから選びます。
Enter キーを押します。 インデントオプションは全部の行を字下げします。 テキストボックスの大きさを増すとこのオプションは「固定」に切り替わります。
: これがデフォルトです。 テキストボックスの大きさは記入した文字の数に応じて拡大します。 場合によっては画像からはみ出るかもしれません。 行を増やすにはEnter キーを押す必要があります。 文が画像の下辺を越えるかもしれません。 インデントオプションは最初の行だけを字下げします。
: まず先にテキストボックスを拡げてやらねばなりません。 そのかわりいつものショートカットが健在です。 テキストはテキストボックスの横幅に遮られ次の行へ折り返します。 これは本来の新しい行ではありません。 改行するにはハンドルつきテキスト枠を
でクリックするとこのメニューが現れます。切り取り 写し取り 貼り付け 削除: これらのオプションは選択してある文字に作用します。 選択されている文字がないときはいずれも灰色無効の表示になります。 貼り付け はクリップボードの中身が文や語句のときに利用できます。
テキストファイルを開く: このコマンドはファイルブラウザーを開きますので目当てのファイルを探し出しましょう。
消去: このコマンドはそのレイヤー内の文字を選択のあるなしにかかわらず全部消去します。
テキストからパスを作成: このコマンドは現在のテキストの文字の輪郭をもとにパスを作成します。 しかしその結果はすぐには解りません。 キャンバスで表示するにはパスダイアログを開いて、 できたパスを可視状態に切り替える必要があります。 そのあとパスツールを呼び出してから文字をクリックします。 すべての文字や記号がパス成分で囲まれている様子が見られます。 つまりこのあとパスのコントロールポイントを操作すれば文字の形が加工できるのです。
このコマンドは画像ウィンドウのメニューの
→ と同じものです。このオプションは パス があるときだけ利用可能です。 文字を収めたテキストレイヤーを作ったら、 パスを作成するかもしくはインポートで生成してからそれを活性化します。 もし既に作ったパスを利用する場合は不可視になっていることが多いのでパスダイアログで可視化します。
このコマンドも同じものが
メニューにあります。もし既に書かれているテキストを利用するのなら、 レイヤーダイアログ にてそのテキストレイヤーを活性化します。 つづいてテキストツールを呼び出してから画像ウィンドウのテキストをクリックします。
ツールオプションの パスダイアログ でも確認できます。 パスに適用できるオプションはすべてこのパスにも適用できます。
ボタンをクリックします。 するとテキストはパスに沿ってうねるように綴られます。 それぞれの文字は輪郭だけが描かれています。 これらは新たなパスの成分になっていて、左から右への書式「LTR」と右から左への書式「RTL」: 使う言語の文字綴り方向をここで指定します。
このテキストエディターは GIMP 2.8 以降 エディターウィンドウで編集 オプションを有効にしたときだけ使えるようになりました。 撤廃されない理由はおそらくユニコード入力のような一部の機能がまだ「画像に直接記入」モードに移植されていないからだと考えられます。
テキストレイヤーに書き込まれた文はフォントエディターを通じていつでも書体が変更できます。
語句や文章を書き込み始めるとすぐにレイヤーダイアログにテキストレイヤーが現れます。 こんなふうにレイヤーがある画像 (今実践されているのならその画像、 あるいは .xcf
画像) ならば、 テキストレイヤーを活性化してテキスト上でクリック (もしくはダブルクリック) すればテキスト編集を再開できます。 もちろん他の一般のレイヤーと同じように様々な機能を使ってテキストレイヤーを操作できます。
他に新たなテキストを画像に貼り付けたいときはテキストレイヤーのない領域をクリックしてください。 新たなテキストエディターが現れるとともに新しいテキストレイヤーが画像に加わります。 どれかのテキストを扱っていたあとで他のテキストの編集を行ないたい場合は、 そのテキストレイヤーを活性化したうえでテキストの枠内をクリックしてテキストエディターを開きます。
ユニコードで文字をコード入力するには、 キーボードショートカット Ctrl+Shift+U を押してから引き出したい文字のコード番号を 16 進数で打鍵します。 たとえば、
ここではアルファベット入力の例でしたが、 もちろん特殊な文字も (外国語の文字も) 引き出せます。 ただしその文字が入っているフォントを選択している場合に限ります。 クリンゴン語用の書体を収めたフォントはなかなかないですから。
Unicode 0x47 (「G」), 0x2665, 0x0271, 0x03C0
テキストエディターのオプション
テキストはテキストファイルの内容を利用できます。 テキストエディターにあるこのボタンをクリックして「テキストファイル (UTF-8) を開く」ダイアログからファイルを選んでください。 ファイル内のすべてのテキストが読み込まれます。
このボタンをクリックするとテキストエディター内のすべての文字と画像上の連関したテキストレイヤーの文字が消えます。
このオプションではテキストは左からはじまって右方向に書き連ねられます。 ほとんどの西洋諸語や東洋の一部の言語に適用されます。
このオプションは右からはじまって左方向に書き連ねられるテキストのためのもので、 (アイコンにも示されているように) アラビア語のような東洋の一部の言語に適用されます。
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注記 |
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現在のところテキストツールは縦書きには対応していません。 代わりにプラグインやスクリプトで実現可能です。 配布されているサイトをお探しください。 |
既定ではオプションダイアログで指定している書体をこのエディター上では使用しません。 使用するにはこのオプションにチェックを入れます。
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注記 |
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「テキスト」 もご覧ください。 |